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うつ病の診断を受けたら?適切な医療機関と信頼できる産業医で回復を
最近、同僚の元気がないようにみえる。色々調べてみたら、もしかしてうつ病かもしれない。そんな悩みを持った方もいるかもしれません。うつ病というのは放置しておくと、患者さんの命にもかかわってしまう場合があります。
うつ病の患者さん本人は、自分がうつ病ではないと思って放置している場合もあるため、周りの方がサポートすることが大事になっています。この記事では、「うつ病の症状・チェック」に加えて早期発見をするのに重要になってくる「産業医の存在」についてお話をしていこうと思います。
うつ病は誰でもなる心の不調
「うつ病」と聞くと何か不安に思ってしまう方もいるかもしれませんが、「うつ病は特別な人がかかる病気ではない」ということを知ってほしいのです。むしろ、誰でもなる心の不調なのです。
厚生労働省が出した「患者調査」によると、平成26年に医療機関を受診した患者の総計は112万人だったそうです。また、日本の国民の5人に1人が一生の間にうつ病や不安症などの精神疾患にかかることがあるともいわれています。
うつ病が悪化すると、死について繰り返し考えることが多くなり、最悪の場合自殺にも結び付くおそれあります。そのために、周りの人の温かいサポートが大切になってきます。
うつ病の症状とは?
うつ病は、精神的なストレスや身体的なストレスが重なることで、仕事や日常生活にも影響をきたしている状態を指します。大まかに説明すると、脳のエネルギーがなくった状態が続き、それによって憂鬱な気分が続く症状が現れます。そのような症状が身体的にも影響を与えるため、うつ病は「こころ」と「からだ」の双方に影響を及ぼす病気なのです。
こころの状態
うつ病になると、こころは不安定になります。人によって症状には違いがあるので、症状を断定することはできませんが、主な症状としては次のような症状があげられます。
不安感があり、心が空っぽになったのかのような虚しい状態に陥ります。そのような不安感から、物事に対する興味を失い、何をするにも億劫になります。また、自分のことを責めてしまう思考のクセから自分のことを大切に思えなくなる、自分の価値を見出せなくなり、結果的に死のことを繰り返し何度も考える状態に陥ります。
からだの状態
こころの状態が体にも影響してくる場合があります。うつ病が体の状態にもたらす影響については多岐に渡るため、これもまた、症状を断言することはできませんが、主な症状としては次のような症状が現れます。
・物事に対して不安を感じる
・夜に眠ることがむずかしくなった
・疲労感倦怠感がある
・対人関係が億劫になった
・食欲が湧かない(または、ご飯の味がしない)
・吐き気がする
・動悸のような症状が出る
・口の中が乾く
・息が苦しい
うつ病になると自律神経が乱れ、体調が悪化する恐れがあるので注意が必要です。
もしかしてうつ病?自己診断チェック
「うつ病かも?」と感じる時点で、患者さん本人も色々、苦しい日々を送っていることと思います。ぜひ、こちらのチェック表で症状が当てはまるか確認をしてみてください。
以下に自己診断チェックの項目を出しておきますが、チェック項目に当てはまらなかったらといって、「うつ病ではない」というわけではありません。この結果を鵜呑みにせず、少しでも「アレ?」と思ったら、専門家にかかることが大事です。
・朝のうちに特にやる気がない
・以前もっていた趣味に興味を示さなくなった
・自分の人生がつまらなく感じる
・体がだるく、やる気が起きない
・突然涙がぽろぽろ出る
・ここ最近、食欲がない
・ここ最近寝つきが悪くなった
・著しい体重の増減があった
・普段に比べて、動作が鈍くなった
・仕事で依然しなかったような小さなミスをするようになった
・自分のことは価値がないと思うようになった
うつ病と感じたら医師の診断を受けよう
うつ病になると、物事を否定的に見てしまうため「医者に行っても治らない」、「自分のことなんてどうでもいい」と考えてしまうため適切な治療を受けることなく放置している人も多い傾向があります。また、自分はうつ病ではないと思い込んでいる場合があるために、病院に行きたがらない人もいます。
このように、うつ病は本人が気づかないまま悪化していくこともあるので、周囲の人がうつ病に気づいてあげることが大切です。その際には、相手を思いやりながら医師への診断を促すことが大事です。
うつ病だと思ったら、近所の精神科や診療精神神経科と呼ばれる医療機関に行くことがよいでしょう。また、地域にある相談所などのサービスを受けることもよいでしょう。他にも、会社勤めの方であれば、会社にいる「産業医」に相談してみるのもいいでしょう。
従業員にとって産業医の存在は大きい
会社の同僚がうつ病かもしれない。そんな時は、まずは身近な「産業医」に話を聞いてもらうことがよいでしょう。産業医とは、「労働者が健康的に働けるように専門的な立場で指導・アドバイスをする医師」のことです。いきなり精神科へ行くという提案をしても、本人から拒絶されてしまうかもれません。
また、一緒に働く仲間や、会社経営をする人からの目線から考えても、よい産業医の存在は大きな心の支えとなるでしょう。何かが起きてからでは遅いですし、症状で悩んでいる本人を一早く、医療の観点から助けることにも繋がります。
信頼できる産業医の条件
会社によい産業医の方がいらっしゃいましたら、良いに超したことはありません。しかし、産業医の方も人ですし、意見が企業より、または労働者寄りになってしまうこともあるでしょう。本来、産業医というのは企業と労働者をつなぐ「架け橋」であるべきです。
信頼できる産業医の方はポイントとしては、「企業と労働者の中立の立場」であることが大事です。これがどちらかに傾いていてはだめなのです。双方の意見を聞きながら解決に導いていくような人間力・コミュニケーション力のスキルを持った人物が望ましいでしょう。
よい産業医の見つけ方
よい産業医がいることで、うつ病が重度にならずにすむこともあります。大事な社員の身を守り、両者が仲良く働いていくためにも良い産業医を見つけることは重要です。
よい産業医を見つけるためには知人の紹介でみつけることや、医師会を見てみる、紹介派遣会社を利用することがあげられます。
「うつ病なんて、ただ怠けているだけではないか?」そのように考えてはいけません。うつ病の患者本人も、「自分は怠けているのではないか?やはり、自分がいたら迷惑なのではないか?」と、悩んで苦しんでいるのです。
うつ病の患者は、年々増加しているといわれています。うつ病だけに限らず、そのような事態はあることとして考えていく必要があります。
よい産業医を選任することが社員の命を守ることにもなるでしょう。
まとめ
うつ病は誰にでも起こりうる心の不調です。精神的にも身体的にも影響を及ぼすことがあるので、早期発見が治療の鍵となります。そのためには、周りの温かいサポートが必要だということをわかっていただけたでしょうか。
「うつ病かも」と思ったら、近所の精神科や診療精神神経科と呼ばれる医療機関に行くことがよいでしょう。また、地域にある相談所などのサービスを受けることもよいです。
会社勤めの方であれば、会社にいる「産業医」に相談してみることが大事でした。
早期発見が治療の鍵となりますが、「本人の意思を尊重すること」が何より重要です。過度な励ましや心配を避けて、患者さん本人がゆっくり休めるように環境を整えてあげることが重要になってきます。
周りの温かいサポートによって、患者さん本人がいち早く回復されることを願っています。