日本での産業医に支払う俸給相場
産業医に支払う報酬は、「専属産業医」か「嘱託産業医」かによって大きく変動します。
「専属産業医」の場合、依頼を行った企業にのみ担当して、最低1日3時間、1週間当たり3日以上勤務を行う医師のことを言います。主に従業員数が多い企業で選ばれています。
「嘱託産業医」の場合、委託契約を行い、産業医に定期的に訪問してもらいます。月に数回程度訪問してもらい、訪問1回あたり3時間未満が多いです。産業医の勤務時間が少ないと支払う報酬も抑えることができますので、従業委員数が少ない企業に選ばれやすいです。
それぞれ費用が大きく異なるため、依頼する企業規模を考慮して選択する必要があります。
産業医はその人のスキルが大きく影響します。そのため、金額だけではなく、産業医のスキルや人格なども考慮し、依頼する企業にあった人材を選ぶ必要があります。
以下では、産業医の探す方法と一般的な「嘱託産業医」の報酬金額についてご紹介いたします。
産業医を探す3つの方法
産業医の選ぶ方法は主に「医師会に問い合わせる」「他会社や人から産業医の情報を得る」「産業医派遣を行っている企業に相談する」の3つの方法が考えられます。
●医師会に問い合わせる
医師会に問い合わせると、良い産業医に出会いやすいです。しかし、直接選ぶことが難しくなるほか、他の方法と比較してやや割高になる可能性があります。契約する場合は事前に確認をしておく必要があります。
●他会社や人から産業医の情報を得る
他の企業にいる産業医の評判を聞き、条件に見合うのであれば、その産業医に契約の交渉するという方法です。直接選ぶことができるため、よい産業医に出会い安くなりますが、もし合わなかった場合断りにくいのが難点でしょう。
●産業医派遣を行っている企業に相談する
現在主流になっている方法です。企業側が欲している人材を派遣企業が選び、月に何度か産業医が訪れます。企業の求める産業医ではなかった場合、他の産業医を派遣してもらうことも可能です。
医師会に依頼を行った場合の平均金額
従業員数 | 50名~100名 | 101名~200名 | 201名~300名 | 301名~400名 | 401名~500名 |
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委嘱料 | 6万円/月額 | 7万円/月額 | 8万円/月額 | 9万円/月額 | 10万円/月額 |
従業員数 | 501名~600名 | 601名~700名 | 701名~800名 | 801名~900名 | 901名~999名 |
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委嘱料 | 12万円/月額 | 14万円/月額 | 16万円/月額 | 18万円/月額 | 20万円/月額 |
各地の医師会に依頼をした場合、想定される月額の料金相場は上記の通りです。
※弊社の料金体系ではありません。国内の標準料金です。ご注意ください。
※人体に有害なものを取り扱う企業・環境に訪問する場合は、表の価格から3割ほど割高となります。
医師会に問い合わせを行い、産業医を紹介してもらった場合、上記のような嘱託料金が発生します。医師会の料金設定は従業委員数によって変動しますので、会社の規模や従業委員数によっては費用がかさんでしまうことが考えられます。
労働安全衛生法 第15条(産業医の定期巡視及び権限の付与) に「産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視」しなければならないと定義されています。中には嘱託料金より少ない金額を渡して費用を抑えようとする企業もあるようですが、法律違反となるため、罰則を受ける可能性があります。
産業医に依頼を行う際は契約内容等の確認を行うようにしましょう。